ルール違反かもしれないけれど、いつもより少しだけあなたのことを具体的に書こうと思っています。
そして、私がそれをどう感じているかも書こうと思います。
私がこの手紙を書き始めた6月の初め。
その頃からあなたに変化がありました。あなたは、数年前から働き始めた転職後の職場で、苦戦しつつも調子を掴みつつありました。きっと、身体的なことでは無い部分の障害者手帳を入手したりして、自分の働き方を整えたことが功を奏したのだと思います。
そして、リズムを掴むと同時にお気に入りのラジオ番組のパーソナリティがかねてより薦めていた「プロレス」を見るようになります。動画配信から入り、女性人気傾向の強い団体から、徐々にコアな団体の観戦にも参加するようになったようです。
そうして、試合を見るたび心を動かされている様子を、SNSに綴っています。
つまり、あなたがプロレスを見るようになり、SNSを頻繁に更新するようになったのが6月でした。
プロレス愛、観戦レポートと併せてあなたは日記をつけ始めるようにもなりました。
文才のあるあなたの日記は読みやすいのですが、一社会人としては、じたばたと苦戦している様子が目に浮かぶものでした。
今度は私のことです。
私は6月に京都へ一人旅をしに行きました。これといって理由は全くなく、毎日暇だったので実行しただけで、行き先も直前まで横須賀と南紀白浜で迷っていました。乱暴に言えばどこでもよかったのです。
その一人旅の直前に、昔交際していた人から連絡が来ました。私はどの恋人とも後味良く別れたことがなく、その人も例外ではありませんでした。相手からの連絡内容はいたって簡単で、食事に行きませんか、というものでした。面倒くさい私は、世の女の子の多分に漏れず、すぐには返事をせず(なんなら既読にもせず)、相手が臨む食事をしたいタイミングが、十分に通り過ぎた頃を見計らって既読にしました。そしてさらに、本当は理由を聞きたいのに、いろいろなことが恐ろしくて、疑わしくて、拗れて、こんがらがって
六月〇〇日に、京都の四条でならいいですよ
と返事をしました。
交際時、先方は東京を拠点とする企業に勤めていましたし、数年前に、やはり都内に家を購入したことを聞いていました。だから「都内で」食事をしましょうということだったのだと、わかっていたのですが、こう返しました。
この返信には、たくさんの気持ちが詰まっています。矛盾だらけの、この機微をつかめるような人ではないことも知っています。
その続きは、いつか皆様にお伝えするとして、私はこの時のもやもやとこんがらがった気持ちを、「あなた」に話したいと思ったのです。
一人でいなせない、一人で乗り切れない気持ちを、一番受け止めてくれそうな人に預けたいと思った訳です。
でも、ひとりよがりなオーダーを、毎日ギリギリのラインで頑張り続けるあなたにぶつけることにも抵抗があって、この手紙を書き続けることで、自分の気持ちを宥めていました。
甲斐あって、なのか、時間が経過したことで、また根源的な部分で波がさったことで、「今すぐあなたに話して受け止めてもらわないと!」という状況ではなくなり、私はあなたに再会したいと背中を押した「きっかけ」自体は失いました。でも、あなたとおしゃべりしたい、と言う気持ちだけが残りました。私はいまもあなたとおしゃべりがしたいのです。だからこのブログがボトルメッセージになって、ネットの海をただよい、あなたの目に触れ、私を思い出してくれる日を待っています。
あなたの話に戻ります。
プロレスを応援しながら自分を鼓舞して頑張るあなたの様子が、今週は少し辛そうでした。応援する気持ちが過熱していく様子と、仕事をうまくこなせていない(でも多分それは自分の責任感がそう思わせているだけだと思います)自責の念が加速していく様子が認められていました。あなたは自分の気持ちを、書くことでおさめるところがあります。つまり妙に熱のこもった最新のエントリーは、あなたの頭の中の熱が、爆発しているのだと思います。
こんなときは、あなたの背に、そっと手を触れ、さすってあげたいな、と思いました。
一方的なテレパシーから
メッセージのやりとりから
言葉を交わす耳のコミュニケーションから
見つめあって交わすアイコンタクトから
手で触れて伝えるぬくもりへ
今日はあなたのnoteを読みかえしながら
あやより