22通目 誕生日
私とあなたの誕生日は、二日違いなのです。ご存知でしたか?
あなたより二日早く、一つ歳をとりました。
そのズレた二日間、私はあなたより歳上のお姉さんだったわけです。
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私は、あまり手紙を、書かなくなりました。
それは、夏頃の私と、今の私が、まるで別人のように考えていることが変わってしまったからです。
相変わらずあなたは職場で四苦八苦しながら、趣味のプロレス観戦に時間を割き、大好きなラジオに癒しを求めているようです。
note、読んでいます。
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25歳ころに、よく飲みに行っていた、SNSで知り合った少し歳上の女性がいました。
私から見れば彼女は「女の子の王道」を行くような子で、恋愛やファッションに興味があり、おしゃれなお店でワインを飲むことが好きなようでした。
私とはきっと、ほんの少し心の距離があって、飲み明かすのに良い相手くらいにしか思われていなかったと思います。二人ともかなり飲むので。
その彼女が、この2、3年でアロマンテイックを自称しています。
性自認は全て自称であるべきだと思うし(必ずしもその判断すら容易ではないが)、彼女が言うのならそうだと思います。
でも、私は彼女はがしてきた異性を相手とする過去の恋愛を、偽りやお試しだとは感じませんでした。
人は変わる。
かなり根源的な部分ですら。
そうなのでしょう。何か彼女の中に変化があったのでしょう。
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話しは戻って、彼女への手紙としてしたためているこの日記も、思考がかなりオープンになってきたと思います。
一通目や二通目を読み返すと、世界が「私とあなた」に終始しており、クローズドな世界だったことがわかります。
あなたはこの半年で、バテたりしながらも日々の暮らしを転ばずに続けています。必要なものは全て持っています。
この半年以前もきっとそうだったのでしょう。
これからの半年もきっとうまくいくでしょう。
誕生日を迎えた私たちは、次の誕生日に向かってゆるゆると続くでしょう。
足るを知る、そう、足りている。
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それでもなお欲しいと願うことが、活力というやつなのかもしれません。