番外編 ひとりで旅に出た
実は昨日まで旅行をしていました。
私は生まれも育ちも、現在住も関東で、もっと言えば都内にいる期間が1番長くなりました。
学生の時は、専攻柄(こんな言葉ないか?)欧州へ行くことが多く、私の一人旅デビューは高校の卒業式の翌日に出国したスペイン一人旅です。
でも、成人して社会人になって、自分があまりにも国内旅行をしていないことに、周りの人との会話で驚いたものです。みんないつの間にそんなに国内旅行していたの?
そんなこんなで、ちょこちょこ私も国内旅行に行くようになりました。
今回の旅先は京都。もっと具体的にいうと四条付近徒歩圏内で、一度もバスやタクシーを使いませんでした。
建仁寺というお寺がお気に入りだから、そこで日永一日ダラダラしようと思っていたのです。
都内を出る時、京都の週間天気予報は連日雨でした。ところがどうでしょう、着いてみれば晴れ。SNSでは「京都が本気出してきた」と言っている人もいました。わたしは夏が苦手だから祇園祭も始まらない、夏の前にやってきたのになぁ、などと少しうんざりして鴨川のほとりを散歩しました。
この旅は2泊3日で、寺社仏閣を巡るわけでもなく(わたしの中で建仁寺はチルスポット)、食べたいものを食べ買いたいものを買うことが目的で、特に河道屋のそばぼうろ(つぼみタイプ)と、よーじやのつやび(洗顔料)を買いに来たのです。
茹だる暑さのなか「あーなんとしてもこれは買わないと〜」と自分に仕事を課してるところが、全然気が休まらないし、私らしいなと思いました。
***
初日の正午、東京駅を出発して二時を過ぎれば京都。
ホテルに荷物を預けてすぐ建仁寺へ、方丈で夏風にまどろみ、日の傾きを待つ。
四時をすぎたらぎおん徳屋へ行ってわらび餅。
そうしたらよーじやが営業終了せぬうちにつやびを買いに。
四条のよーじやのあとは大安でお漬物、辻利でまっちゃりっぷ。
六時をすぎてもまだ暑い。ホテルに帰って日が落ちるまで昼寝。
八時間近になったら、烏丸方面夜の街へ。一人でカウンターに座る。若いお客さんの多いお店で、美味しいかつおを茗荷たっぷりで食べる。
帰り際、なぜかバブを貰った。ホテルのバスタブにバブを入れてジンジャーの香りに包まれる。
夜が明けたら、行きたかったカフェで和朝食を食べる、ふっくらたまご巻きでお腹いっぱい。
高台寺を訪ねて日差しに焼かれる。
びしょびしょになって下山したら、文の助茶屋で抹茶あんみつを食べてホテルへ帰る。
熱中症になった気がして冷えた部屋のベッドで眠る。
体力が戻ったら、デルベで香りを試しながらハンドクリームを買い、河道屋のそばぼうろを買った。リスンに行くのは諦めた。
三時になったら昔の会社の同期が、わたしの相手をしに尼崎からやってきてくれた。
川の見えるカフェで甘いパンケーキをたべる。
彼女と結婚のタイミングが合わなかったこと、教えてくれた。
そのあと、堅物マスターが沢山の珍しいクラフトビールをサーブしてくれるお店に行って「ダブル」の意味や「サワータイプ」の勉強をした。
京大院生の営む居酒屋に移動して、人の噂話をしながら長芋そうめんをすすったら夜が更けて、四条が静かになった。
鴨川にはまだたくさん人がいて、ドラムセットで演奏をしている人までいた。
私は酔っぱらい。
部屋に帰って熱めのシャワーを浴びた。
帰る日の朝、上羽絵惣の胡粉ネイルを買いたかったことを思い出して、京都タワーの写真を撮ったら伊勢丹に行こうと思った。
急に疲れてしまった、私はもう京都には来ないかもしれないと思った。
***
京都旅行中、仲の良い男友達が飲みに付き合ってくれたので、本当の一人旅ではなかったかもしれませんが、私の一人旅熱はいったんおさまって、満足をしました。
途中に登場したDerbe(デルベ)というイタリアのスキンケア用品のお店は、京都が本店なのですが、夢のような香りがして、使い切る前からリピート確定っ…!と思っているくらいなので、皆様もぜひ(取り扱い店舗自体は全国にたくさんあるみたいです)
今度は誰かと旅をしてもいいかなと思っていて、それはもちろんななちゃんです。